2012年9月アーカイブ

消費者金融と継続的に取引をしている間に、途中で不動産を担保に出して、追加融資を受けるということがあります。このとき、担保を出してお金を借りるという契約以前に発生していた過払い金について、不動産担保貸付金に充当ができるのかという点が争いになることがあります。
最近までは、下級審の裁判例は判断が分かれており、一連性を認められた判例もあれば、認めなかった判例もありましたが、今回、最高裁で一つの事案について判決が言い渡されました。これは、CFJという消費者金融との間で、リボルビング契約である継続的取引を行っていたところ、CFJの担当者に勧められ、母が所有する不動産に根抵当権を設定して、追加貸付を受けたというケースについての過払い金の充当の可否に関するものです。
結論としては、最高裁は、このケースにおける過払い金の充当を認めませんでした。もっとも大きな理由としては、不動産担保貸し付けは、従来のリボ貸付とは異なり、「契約により貸付けがなされた後に,継続的に新規の貸付けとその弁済が繰り返されることが予定されていない」という点でした。
しかし、判例の補足意見中では、必ずしも継続的に貸し借りが予定されているリボルビング契約と、単発的な貸付が予定されている不動産担保貸付を一連のものとして計算できないというわけではない、と説明がされています。どのような場合に一連計算が認められるのかといいますと、たとえばこのようなケースです。
判例では、「従前のリボ契約が解消され,リボルビング方式によらない担保権付契約が締結された場合に,当該担保権付契約が締結されるに至る経緯やその契約内容,その後の取引の実情によっては両取引が事実上1個の連続した貸付取引と評価される場合があり得る」とされており、具体的には、「担保権付契約による融資は確定金額による1回の融資ではあるが,一定額以上の元本の返済がなされれば,約定の返済日や返済金額に変更を加えることなく一定の限度額までの追加貸付けが予定されているような場合」には、一連計算が可能である場合もありうる、ということです。

以上の解説は、リボ貸付解消後に担保付貸付がされた場合のお話です。リボ貸付解消後に担保付のリボ貸付がされた場合には、この判例の適用はなく、従来どおり、平成20年1月18日付最高裁第二小法廷判決などで示された基準により一連性が判断されることとなると思われます。

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